小さすぎる天使 [小さな天使]
2010年3月14日（日） 31週6日
AM2:30
水の流れる感覚にはっとして目が覚める。
しばらく待ってみるが止まる気配が無い。
かかりつけの助産院に電話。
AM3:15
救急車を呼び、搬送先をあたるも20分経過。
AM4:00
第三次救急対応病院へ搬送。
完全破水、骨盤位（逆子）と判明、陣発。
緊急帝王切開決定。
AM6:33
1889ｇ、男子、仮死状態で摘出。
おめでとう!! よかったね!!
オ・メ・デ・ト・ウ。
その一つ一つの音に胸が抉られる。
出産は異常なことではない。日常ではないけれど、異常ではない。それは正しい。
でも、異常な出産はありえる。
仮死状態で取り出された息子は蘇生処置を受け、そのままNICUへ。
元気に育って･･･大きくなりなさい･･･そういう親として当たり前の望みを持つ前に、
お願いだから息をして!! 動いて!! 生きて!! 生きて!! 生きて!!それだけを叫んだ時間。
自発呼吸始まりました!!
目の前に大小さまざまな波が現れては消える。生きてた。生きていてくれた。
麻酔から醒める時間は心と体が分離してしまった時間。
浮かぶ言葉は、ごめんなさい。
いいですよやりますよ、そう言っては必要以上に背負い込んでいた仕事のせい？
休みなく働いていたせい？ もう2週間咳が止まらなかったせい？
妊婦は体を動かさなくちゃ！と思って大掃除をしたせい？
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
私が･･･しなければ、私が･･･していれば、ごめんなさい。
麻酔から完全に醒めても、出産した、という感覚は持てず、出してしまったとしか思えない。
オメデトウといわれても、一瞬何に対して言われているのか理解ができない。
もうお腹を蹴られることも無い。私の体を温めておく必要も無い。
返して欲しい。あの愛おしい時間を返して欲しい。
あと2ヶ月、身動き一つせず横になって過ごしていてもいい。だから神様お願い返して。
違う。生きてる。彼は生きてる。体中に管が刺さっているけど、2ヶ月も早く生まれたけど
息子は生きてる。間違いなく呼吸をして、生きてる。
自分を責めては思い直し、思い直しては責め、9日間の入院中私の心はどこか違うところを
さまよっていたように思う。当たり前だけれどふっくらとした赤ちゃんを胸に抱き、
眠い目をこすりながら授乳をしている新米ママの横で、謝りながら泣きながら搾乳をする私。
本当ならこうしている今もお腹の中で暖かくゆったりと過ごしているはずなのにと責めながら。
生後14日が過ぎ、3時間毎に搾乳したおっぱいを毎日午後に病院に届ける。
1本、また1本と管が抜け、とても小さいけれど赤ちゃんらしく見えるようになってきた息子。
保育器から出て、1時間くらいなら私の裸の胸の上に抱き、カンガルーケアができるようになり
ゆっくりだけどでも確実に私の心があるべき場所に戻っていく。
どういう理由かはわからないけれど、期せずして学年を一つ飛び越えてしまった息子。
生後3ヶ月でも首が据わることはなく、常に2ヶ月マイナスして考える必要がある息子。
保育園も入れないだろうね。激戦の1歳クラスだものね。来年4月で。
小学校に入っても勉強やスポーツについていくのは難しいだろうね。
だって本当は次の年の生まれになるはずだったんだもの。
心配の種はドンドン増えていって、刈り取っても刈り取っても次々に芽生えてくる。
けどね、そんな先を見ることは無かったんだよね。
ちゃんと足元を見ていればいいんだって教えてくれたのはキミだもの。
命があって、今生きている、これ以上に何を望むんだって教えてくれてありがとう。
私がすべき事。
それはキミと向き合い、キミの生きる力を見守り支える、ただそれだけのこと。
そんなことに気づくのに2週間もかかってしまった。ごめんごめん。
障害が残るかもしれない。目が見えないかもしれない。呼吸器に問題が残るかもしれない。
それがどうしたっていうのよね。
キミは生まれてきた。生きるために生まれてきた。
障害も、問題も、全部まとめてキミなんだって思う。
神様が私にプレゼントしてくれた大切な命だもの。必ず支えていくよ。
もう迷うことも戸惑うこともないって約束できる。
ママはキミのママだから。
私の心がフラフラしている間、支え続けてくれた家族にありがとうを。
ママがいいぃ～～～～と泣きながら電話してきたメイくん。
ギュゥゥゥっと抱きしめると、お兄ちゃんだからがんばるって言ってくれたね。ありがとう。
メイくんのぬくもりのおかげでママは元気になれたように思うよ。
仕事も忙しいのに毎日病院に来てくれたパパ。
泣いてる私をずっと励まし続けてくれてありがとう。
私よりずっと苦しい思いを抱いていたのだと思う。本当にありがとう。これからもよろしくね。
そして、キミ。
生まれてきてくれて、ありがとう。
お誕生、オメデトウ。 ママもオメデトウが受け取れるようになったからね。
大変だったのね。
おめでとう！！！
妊娠は病気ではないけど怖いのはこういう事ね
あたしのお友達の子供は７００ｇだったけど
ちゃんと生きてるよ
しいたけちゃんなら大丈夫！母は強し
保育器から早く出られますように祈ってますね
by アンジェラ (2010-03-29 19:15)
よく解ります、私の娘も二ヶ月早く生まれました。
体重が７４０ｇ！両の手のひらに楽々収まってしまうほど小さく生まれてきました。
嫁さんは我が子を見ることができたのは術後１０日目だったと思います。
娘を見るなり、泣き崩れました。ごめんね、ごめんねと…。
目が見えないかもしれない、障害が残るかもしれないなど心配は止め処ありませんでしたが、今は元気に育っていますよ。
おめでとう大変でしたね、しばらくブログをみていませんでしたが、またひとつ新しい怪獣がこの世に生を受けたのですね！ほんとにおめでとうございます。
by かみねんど (2010-03-29 22:14)
おめでとう。
椎茸ちゃん、心も体も苦しい時間と共に、よくがんばったね。
そして新しい命としてうまれてきたベイビーも。
私は何もわかっちゃいないかもしれないけど、それでもやっぱり生きる力ってすごく強いものなんだと思う。
家族がいるから、きっとだいじょうぶ。
ソネットファミリーの私達も見守っているからね＾＾（強運の持ち主多いよ、きっとｗ）
by Betty-A-Sateau (2010-03-29 22:16)
小さな小さな天使くん誕生おめでとうございます。
私の友人の子もすっごく小さく生まれNICUで頑張りました。
今では周りの友達よりも大きく成長し4月に幼稚園入園です。
椎茸さん家の小さな天使君も元気に成長されることをここで応援してます。
みんなガンバレ～
by kana (2010-03-30 22:20)
すごい、おめでとう！
by もっきー (2010-03-31 11:02)
おめでとうございます。
親は心配、どんなときでも、
でも、すっごくたくましくなる予感。。
ほんとにおめでとう。
by アキオ (2010-04-02 00:00)
★アンジェラさん★
1000グラム超えてれば大丈夫だよーと産科医にも言われました。
でもNICUで一番小さな赤ちゃん、わが子を見ていると本当かぁ～？と思ったりもしますけど。
正規週の35週を超えれば（来週）保育器から出られるかもしれない、というところに現在は希望を見出しています。
by 椎茸 (2010-04-02 09:15)
★かみねんどさん★
そうでしたか、奥様のお気持ち心の底から理解できます。
私は帝王切開の手術台に載せられる直前、プラスチックの保育器が横に用意されているのを見て号泣してしまいました。こんな箱に入れられなくちゃいけない状態を作った自分をどれだけ責めたことでしょう。
今はただ、元気になってほしい、その一心です。
本当に小さな怪獣ですね。いつかこの出産劇も笑い話になるんでしょうね。
あんなに小さかったくせに!!って言える日を夢見て。
by 椎茸 (2010-04-02 09:18)
★Bettyちゃん★
ありがとねー。ソネットファミリー･･･いい響きね。
本当にファミリーになったんだもんねーみんな（感慨）。
死んでしまっていてもおかしくない状況だったのに、生きよう!!という力が強かったんだと思うんだ。生まれてくるべき命だったって考えてる。
きっと将来オモローな人になるわよー（そこ??）。ふふふ。
by 椎茸 (2010-04-02 09:20)
★kanaさん★
ありがとうございます。
今、のままということは絶対にないんですよね。時間は流れ、人は変わっていくものですもの。今は特別小さい子だけれど、小ささを感じさせない人に育っていってほしいと思っています。
応援、よろしくです！
by 椎茸 (2010-04-02 09:21)
★もっきーさん★
うふふ！ありがとうごうざいます！
なんかの意味があって学年飛び越えて出てきたんだと思います。
命があるってすごいことですよー！
by 椎茸 (2010-04-02 09:22)
★アキオさん★
たくましくなる･･･予感がします。私も。
生命力が強い子というか。
心配はしても尽きませんから、前を見ていこうと思います。
by 椎茸 (2010-04-02 09:23)
★りなっちさん★山口さん★
Niceありがとうございます。
by 椎茸 (2010-04-02 09:24)
おめでとう！！
by misso (2010-04-04 06:50)